やりたいことがない状態を抜けるには

世間では、好きなことを仕事にするのは、難しいものとされている。おそらく、好きなことを仕事に出来ている人が、仕事をする割合として少ないからだろう。

一方で、仕事をしていて、その仕事が好きになったという人もいる。僕個人としては、こちらのタイプのほうが、理にかなったものだと考える。

その理由を、自分なりに考えたい。

 

<対象>を好きになるという状態

〈対象〉に対して、「好き」とか「嫌い」という感情が芽生えるのは、その〈対象〉を経験したあとだ。

例えば、茄子が好きな人がいる。一方で、茄子が嫌いな人がいる。両者は、茄子を食べたことがあるから、好き嫌いを判断できる。どう考えても、茄子を食べる前に、好き嫌いを判断できない。

そして、仕事についても、これと同じことがいえる。

世間一般的には、「好きなこと、やりたいことを仕事にする」のは、尊いものだとされている。果たして、そうだろうか。確かに、仕事が好きなことは、重要だ。しかし、「好きなこと、やりたいことを仕事にする」だと、無謀すぎるのだ。

先にも書いたように、〈対象〉に対して、「好き」とか「嫌い」という感情が芽生えるのは、その〈対象〉を経験したあとであって、その〈対象〉を眺めるだけでは、好き嫌いを判断できない。

だから、「好きなこと、やりたいことを仕事にする」は訂正すべきだ。

このフォーマットのせいで、困っている人も大勢いる。「やりたいことがない」と仕事をする前から、嘆いてる若者が大勢いる。先にも書いた好き嫌いの理論からも分かる通り、仕事をする前から、「やりたいこと」「やりたくないこと」など判断できない。

だから、「何かの仕事をして、その仕事を好きになった」が正解だ。

こっちのほうが、幾分か、救いようがあるのではないか。

日常でやりたいことを探すには

日常でやりたいことを探すには、先にも、書いたように何かの〈対象〉を経験しなければならない。もちろん、既知のものより未知のもののほうが相応しい。その中で、日常生活で意識してほしいことが二つある

  1. 何かの〈対象〉を眺めたときに、良いもの〈カッコいい、好き、ああいう風になりたい〉を感じ取ったときに、その〈対象〉を経験すること
  2. 他人からの誘いを受け入れ、その〈対象〉を経験すること

この二つを意識すれば、やりたいことを見つけることができる。そして、最も重要なのが、〈対象〉を経験するというその行為そのものだ。うちの父は、ゴルフが大好きなのだが、ゴルフをする前は、スポーツの中でゴルフが一番嫌いだと言っていた。だから、〈対象〉を経験するというのは、どれだけ重要なのかは、うちの父の例でも分かる。うちの父の場合、一は、該当してないが、二は該当している。もともと、友人に誘われてゴルフを始めたらしい。だから、この二つのうち、どれか一つでも当てはまれば、〈対象〉を経験していい。もっと言えば、〈対象〉を経験するだけでも意識してくれればいい