自己啓発本を読まなくなったのは、オードリーのおかげです

オードリーの若林さんのエッセイ本にはこんな感じのことが書いてある。

 

本一冊読むことで人格は変わらない。本は本気で何かしたいと思ってる人を助ける杖やビート板みたいなもの。そうじゃなきゃ、ダイエット本も自己啓発本もとめどなく発売されない。

 

そして、こんなことも書いている。ここはそのまま抜粋する。

 

特にすごいわけじゃなく、特にダメじゃない。そんな自分の自己ベストを更新し続けていれば、「結果」があとからやってこようがなかろうがいいじゃないか。特別な才能がないから自己ベストを更新し続けるしかないという諦めは、ぼくにとって自信になった。

 

実は、上と下の文章は、関連がなさそうに見えるが、そんなことはない。

エッセイでも書かれているが、若林自身、まだ売れてない頃、ネガティブな自分を変えるために、いろいろな自己啓発本を読み漁ったらしい。

その結果、分かったことは1つだけ。性格は形状記憶合金であると。

結局は、その性格と一生付き合っていかなければならない。性格を変えるのではなく、受け入れる。

あと、もう一つ、自己啓発本を読まなくなった理由は、下の「結果」の文章と「春日」の存在である。

 

春日は、売れてない頃から、ずっと幸せそうで、一方、若林は、売れてからも、売れてない頃の幸福感とさほど変わらず、幸せではなかった。いつしか、春日の精神性が羨ましくなった。

 

もう、ここからは、憶測で書かせてもらう。

春日は、どんな「結果」でも、満足できる。だから、売れていまいが売れていようがその現状を受け入れ、楽しんでいる。

その精神性が羨ましいと思ったということは、若林さんは、幸せになるには、勝ちという結果しかないと思い込んでいた。芸人さんだから、ウケるということになる。

だから、下の文章があるんだと思う。結果じゃなく、結果に至る過程を重視して、現状に満足することが、幸せになれる道だと理解した。

そう。現状に満足してしまえば、自己啓発本というのは、ほんとに必要がなくなってくるのだ。

だって、今、めちゃくちゃ幸せな人が、自己啓発本を読むだろうか。

答えはノーだ。自己啓発本を読むような精神性の奴は、今の自分より、上のレベルの自分にもっていこうとする。

いいように見えるが、これも答えはノーだ。その意識を続ければ、成功や良い結果しか幸せにはつながらないという思考につながりかねない。しかも、際限がないから、常に今の自分を否定しながら、上へ上ろうとする。上へのぼれたとしても、また、上へいこうとするから、また、自分を否定するという無限ループに陥る。

春日の場合は、どんな結果でもニコニコしている。要は、自分を肯定している。

おそらく、「結果」にいたる「過程」しか見ていない。「あー楽しかった」と。

春日には、それしかない。春日、表面的な勝負では負けてるかもしれないが、人生の勝負には勝っている。

「人は幸福なるために、行動している」という人生の原理に立ち返れば、春日は勝者だ。